薬物療法の役割(コンサータ)


今は発達障害者支援法などもあるのかないのかは実感はしておりませんが、発達障害児に対しての様々な支援は学校によると言うよりも、担任の先生によるものが大きいですね。


これは、発達障害児に対してと言うよりも、もともとのその担任の先生は褒めて教え育てる人だったと言う事が、そのまま今発達障害児に対して有効である為に、それをしない先生に対してある種の刃が向けられたりもする事もしばしばな昨今。


息子が小学校に入学する時に、校長先生から言われた言葉が、「小学校は勉強をする所です。勉強を習い、将来社会へ出て行く為の色んな事を学び、それは先生からだけでなく、自身が周囲の子供達を通して学んで行く所です。なので、学校では褒められる事よりも叱られる事の方がほとんどでしょう。叱られながら学んで行く事もとても必要な事です。褒められない代わりに叱られない子と言うのは、先生に無視をされているわけではなく、認められていると受け取ってもらっていいと思います。」と言う事です。


その代わりに、ADHDと言う特性を持つお子さんの中には、他害などをしてトラブルの原因となる事もあると言う事は歴代のADHD児を普通学級で見て来た担任の先生からは聞いてはおりますが、これに対して決して悲観的にはならないで頂きたい。この自分がする他害と言う行為を通して子供さん自身が学んで行く場が学校だと思って頂きたい、ただ、保護者の中には色々と言って来る人もいるかもしれませんが、その時は一言親御さんが謝罪する気持ちさえ持っていてくだされば、後はお子さんは学校でしっかりと学ばなければならない事を学んでもらう、それでいいと思います」とも言われました。


なので私はその時に校長先生が言う「謝罪をする気持ち」を胸に一杯持ち、入学しました。


幼稚園の頃に息子の他害で苦しんだ私としては、幼稚園の頃は先生が間に入りクッションになって下さったおかげや、直接保護者同士で謝罪をしたり連絡を取らないようにとの幼稚園の先生から常々言われて来ましたので、ある意味子供と言うよりは、親が守られて来ていましたから、改めて気を引き締めた思いでした。


ですが、そう言う思いで入学してから1年生の担任になった先生から言われた事は、「子供ですから、ADHDと言う特性があるからと言って他害をするわけではない、ADHDと言う特性がなくても手を足を出す子供はいますから、そう言う事は何も考えずにいて下さいネ!」と言われ、え?そうなの?と思いつつも、ビクビクしながら過ごして来ました。


他害行為をすれば、ADHDの有無に関係なくいけない事として叱られる。


それはごくごく当たり前の事。


そこから学習していけるのか?と言う事も学校としての狙いだったように思います。


私は、息子がADHDと診断されてから、これだけはしたくないと思っていた事の中に、「ADHDと言う障害がある事を免罪符にはしたくない」と言うのがありました。


なので、そう言う学校の対応と言うのはとてもありがたかったです。


結局、1年生になった5月から薬物療法も始まりましたので、それ以降は息子自身が起こす大きな問題としてはなくなりはしましたが、良くぞ薬物が効いてくれたなぁ。。と言うのが本音です。


ただ、今にも息子には言う事がしばしばありますが、ADHD治療薬とされているお薬は、治癒薬ではなく、一時的な対処療法としてのお薬でしかなく、その対処療法としてのADHDとしての特性が薄らいでいる時に、正しい言動や社会(学校)に対して適応して行く能力を学ぶ為のお薬です。


もちろん、未だにお薬に対しては賛否両論あるかとは思いますので、服用するしないはご家庭内でしっかりと話し合いをしながら方向付けをする事も必要になると思います。


我が家では、息子自身の特性の中で、「人に迷惑を掛けてしまう行為」に息子自身が我慢が出来ないと言う事からお薬の服用が始まり、今に至ります。


そのご家庭で子供の特性に関して何に対して重きを置くかにはそれぞれ違いはあるとは思います。


我が家ではこれから子供が長い人生を送って行く上で、一人で生きて行く事はありえないと考えると、嫌でも誰かと関わっていかなくてはなりません。


その上で、誰かに迷惑をかけたり(主観ではなく客観的に)する事はこれからの対人関係を考えるとそれすら難しいと感じておりました。


息子が自身で困る特性(忘れ物が多いだとか、おしゃべり(お口の多動とか)と言う事)は、自身でしっかりと自覚しなくては改善されてはいかないだろうと思っておりました。


なので、まず最初に取り掛かったのが、他者に対して迷惑を掛けると言う事を改善するには?と言う所からです。


学校の授業中に他の子の邪魔をしない、それは多動にしてもそうで授業中に立ち歩きなどをすると、集中出来ないお子さんもいるだろう。。。


担任の先生の集中も切らすわけにはいかない、そうなるとまずは1年生の序盤の服用前にあった教室からの脱走をどうにかしよう。。。そこから。


そして、衝動性による他害。


小学校に入ってからは担任の先生からは特に報告は受けてはいませんが、たまにはあるであろう友達との喧嘩の際に手が出たり足が出たり(それがお互い様であったとしても)する事を改善しよう。。と言う事を念頭におき、息子は服用を始めました。


その狙いは見事に的中してくれ、お薬の服用によってそれがまるで別人のようになくなりました。


お薬を服用された方の中には、それ以外の事も変わってしまい、覇気のないお子さんになってしまったりと、色々とお悩みの方もいらっしゃるようですが、息子はそれ以外は特に大きな変化はなく。


お薬服用の利点としては、集中力がより向上したと言う事もあり、一時期は服用していないと勉強に集中出来ないと言う事もありましたが、今では服用なしの休日でも多少の勉強に掛かる時間の差こそはあれども、大きな違いは見受けられなくなりました。


一時期の心配ごとは、副作用での食欲の減退や、身長の伸びがあまり著しくないとか、体重が増えないとか、そう言う悩みこそはありましたが、医師の言う副作用は一時的なもので、お薬に体が慣れてくるとそれもなくなってくる。。と言う言葉を信じた結果、今ではお薬の服用時の食欲減退もなく、給食も毎日お代わりをするくらい。


身長も順調に伸び、体重も本人の念願の30kgをとうに超え、もともと骨と筋肉だけのガリガリだった体がより見栄えの良い筋肉質な良い体つきになって来ています^^


そして、低学年の頃から築いて来たお友達との関係は、高学年になりそれなりに良好でいて、勉強についても何故勉強をしなくてはならないのかを考え、日々の課題を黙々とこなしています。


ADHDの特性の中の色んな事に挑戦したい、色んな事に興味があり、その中で自分の得意な物を見つけられる。。と言う特性も残しながら、今は小学校生活を満喫しております。


子供としての最初の集団社会である幼稚園で躓いた息子ですが、その躓きを自身で克服し、じゃぁどうすればいい?と言う所まで自身で考えられるようになっています。


まぁだからと言って、ADHDとしての特性が全て消えたわけではなく、良い所だけが目立っているわけではなく、相変わらず片付け下手だとか、忘れ物がチョコチョコあったりだとかしますが、それは我が家では大きな問題としてみてはいません。


そりゃぁ出来る事に越した事はありませんが、片付けが出来なくても生きては行けますから^^


多少おしゃべりであったとしても、余計な事、「言わないでね」って約束した事は何があっても口を割らない子ですし、それが出来れば対人関係の最初のハードルはクリアかな?とも思っています。


まだまだ超えなくてはならないハードルは成長、年齢の成長とともに、出てくるんだろうとも思っています。


が、息子がADHDと診断された時に漠然と真っ暗闇の中で感じた、この子はどう言う子に育つんだろう、どう言う未来が待っているんだろうと言う不安は、明確な目標を残しながら消えつつあります。


薬物療法。。。実は、服用しているお薬は、中枢神経刺激剤です。


ずっと服用し続ける事に関しては、一抹の不安がないと言ったらウソになります。


実際に、発達障害を持つお子さんに対して処方されるお薬は色々とあるのでしょうが、子供の時期に服用開始をして大人には処方されていないお薬と言ったら。。。ね。。今はコンサータしかありませんしね。


それだけ、大人になって服用すると様々な危険?を伴うものと考えられているのかもしれませんし。


以前のリタリンみたいにね。


が、逆に一度服用を子供の頃に始めたからと言って、永遠に飲み続けなくてはならないと言う確約もありません。


現に今は土日などの学校のない休日は服用はしていませんが、以前はお薬をお休みすると「休薬日リバウンド1日目〜」とお題になるくらいに、その違いは大きかったのですが、それすらなくなりつつあります。


息子自身のADHDのお薬を飲む理由としての特性についての本人自身の対処が出来るようになってきたのか、はたまたその対処法を覚えて来たのか。。。その違いについては定かではありませんが、今の所はお薬を服用していてそりゃぁまずいだろう?的な事は出て来てはいません。


お薬が効くと言う事のありがたみと、自身で学習出来ると言う事のありがたみを感じている現在です。